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いつでも死ねるということが
私の中の少なからぬ希望であった。
しかしそれをも私から奪うのだ
彼らは真に存在の尊厳を信じることを知らぬ
自らが管理し、自らの手中をこぼれ落ちることを好まぬ。すべて自己の分裂的恐れから確かな杭を打ち込まずにはいられないのだ。
弱い人。
ないことに怯えて消え去ることに怯えて別れることに怯えて、
決することなく彼らに言わせれば変わらぬ現実が横滑りするのをのんびり眺めているのだ。
彼らは果たして生きているのか
死ぬことをまるで悪魔的且つ呪われたものとして生の尊厳を貶める…それはまさに恐れ、
孵らぬ卵、温め続ける愚かな白鳥、
殻の中はとうに腐りきって発酵した状態にある。最高の保温室という牢獄でひたすら地下を掘り進むしか脱出する方法はない。意図的に貶めて、させないようにコントロールする、情に訴えかける、道具から引き離す。死ぬのは生きるより悪だと言う、様々な手法で、なにより生、主体の尊厳について考えるよりも死を殺そうと躍起になってまた会議だ、というわけでまた律法教典の頁がまたふえる
まず存在の前提として、世間に浸透している「尊い命」とやらから何故尊いのかを説明してもらいたいものだ。
ただただ訳も分からず存在し困難で苦痛な状況に耐えるにはあまりに理由がわからない。
新生児の誕生を喜ぶのはそれがはっきりしてからではないのか…。死に際の老人に現実に目を向けさせて応えてもらう必要がある。殆どの幻想をはぎ取られた核心になにが転がっているのか歪曲なくはっきりと言明しなければならない。それこそ我々が苦悩してきたことへのせめてもの対価だ。我々の存在そのものがが如何に打算的に構成されているか知ることができるはずだ。
何処からか巨大な恐怖がやってくる
それが何かはわからない
ただ怖いとしか形容し難いもの
理解してもらえないが
生まれた時から感じていた強大な不安
何故自分は生まれてきてしまったのだろう
ただ色々なものに怯えていることはなんと苦痛な時間であろうか
知らぬまま、ただただ自尊の掌で転がり回ること、捨ててしまいたいんだ
自己を消してしまうことができるのなら
どんなに悩むこともない