99

死が追い剥ぎにあって

愚なる生だけがただ仕方なく残る

身包み剥がされたまま朽ちるのを待つなんて

尊厳に対する冒涜だ

それを聴いたお前は云うだろう

それは甘さ故の逃げであると、

だが、お前がすべてを剥がされ死に喘ぐときその醜態を私は必ず視ている

個体としての純然たる生を瞬きせずに見入ることだろう