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自らの意志ひとつだ

などと吹聴してまわる人を

見ていると吐き気がしてくる

 

すべてを剥がしてやったなら

精神だけになったのなら

彼等の口から同じような言葉が聞けるのだろうか

決して聴けまい

精神だけが剥き出しにベッドに

横たわってその意志とやらが始めから

幻想という全能感に覆われていたことに気づくことだろう