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「ずっと一人でばかばかしい愚か者だ」

そう罵ることだろう。

でも、まだ一人立ち尽くす。

ぼろぼろのまま耐え難い状況にいる。

 

今の自分には巨大な不安と退屈しかない。

時が経過するほどに過敏になる。

退屈なのに傷つき易くなった。

 

もう何も生み出すつもりもない。

生というものが絶え間ない個の分裂的主体を多くの物事によって存在理由として位置付けることで安定的な存在でいられる。

それが専ら生であること。

統合状態をもとめてやまないこと。

それは常に相対的な状態を少しでも絶対化する企てとして日夜無意識に繰り返し行われる。

それが専ら生のすべてであると考えている。

彼らには真か否かなど興味はない。

彼らは他者の中に何らかの無為を少しでも植え付ける為に自らに有益な情報は与えずに他者がいかに無駄なものへと投資をさせ続け搾取することが可能なのか、それを考えている。相互にそうこうしていると誰もが総体的に積み減らしてゆくのだ。

 

彼らが彼ら自身を何故疑うことなく日常的生活を送ってゆくことの欺瞞。仕方ないのだと言い聞かせて生きてゆく欺瞞。