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何もかもがどうでもよくなってしまって
というのも私がもう価値を見いだせるような
人間ではなくなったからであるが
道路に横たわる汚い虫の残骸のようなものだ
それでも、いやだからこそ埋めるものが
なにひとつない
大概の時間を内省に費やした
結果的に得られたもの…
幻想によって分裂的主体を統合化するよう図っているらしいこと
統合イメージはスクリーンに映し出し出された影絵のようなものだ
もしスクリーン自体に欠落があった場合…
イメージを保ちうるか
しかし私には無駄な要請が毎日侵入してくる
24
自分という曖昧な関係性を
忘れることができるのなら
どんなに幸運なことであろうか
23
死に際に明らかに
嘘に違いない幻想にもならぬ
ゴミを宝だとヒステリックに叫んで
死んでゆくものが一体どれだけいることか
それならばいっそのこと全てゴミだったと
言ってほしい
いつまでこんなことを繰り返さなければならないのかうんざりしてしまう
己の奥底にしまい込んでいる瞼を切り開いてベッドに横たわる醜い姿をみてみろ
嗚呼…なんと存在の惨さといったら…
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死と生の当落線上、
打ち寄せる分節の波
動かずにただのたうちまわる
境界を
解ってくれないか
私の揺れと平静を
解ってくれないか
わかるはずである
そう、わかる
きっとわかる
私という境界が崩壊しようとしていることに
きみは気づいているはずだ
私が煙になるのを
眺める
そうとも、
きみがいると言ってくれなかったら
私はいないのだから
君という影
ホルマリン漬けの肉体と
私はその影
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認識は余さず想像の形態をとらざるを得ないこと
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幾度も死に損なった
機会が訪れるなら
死ぬこともまた決断を要すること
それだけでうんざりしてしまう
ならば生きるほどの意志があるのかと
いわれれば、勿論ない
例えば、世話になったひとに礼のひとつでもするために頑張ってみようというような気概がないのかと問われれば
確かに有り難いことだったとは思う。
だが生というものを深く観察していくとなにやら仕組まれたものであることを
考慮に入れざるを得なくなるのだ
上手く騙されるのも能力のうちである