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何故物語に悪役、あるいはあからさまに愚かな概念が登場し、鈍臭いやつを、問題児として重用するかと言えば、それらに否定性を加えることの正当性をそれらが保証してくれるからに他ならぬ

 

どの主体にも例外なくそれらを必ず貶め、蔑まれならねばならない存在として生み出す要請が内在しているからだ

 

主体は否定性を手放して自己を維持することはまず有り得ないのであり

社会にそのような特徴が現れることは全く当然のことだといえる

 

付け加えておくが、別段これが悪いとかなんとか云う話ではない。ただそのようにしか存在できないということだけ強調しておきたいだけだ。