90

認識の弁証法における統合は否定性(差異)による文節の顕在化である

そして機能的でなければ文節は暫定的にせよ定まらない。その状態は主体に置き換えれば境界例や統合失調に生じていることと同義である。

考えられることは自閉症及び周辺の精神疾患がもし増加傾向を示しているとするならば、

それは弁証法が上手くいっていない、統合、分節化が上手く行われていない現れではないのか。

 

機能的分節化を実現し統合イメージを抱きうることができたのであればこの現象も収束するのかもしれない

 

言語領域の一概念も共時的には同一のシニフィアンを示していても通時的にみれば世代間の抱いている、解釈しているものがまったく異なる

つまり表面で交換されているかのような記号も双方間で完全に齟齬が生じている

 

もし現状の社会現象がまったく以前の概念(文節)で解釈され続けるのだとしたら、否、現にそうであるのだが、場所を獲得すること難しい。旧文節によって強引に用意された檻にいれられるか、存在しないものとしてみなされる。そのような意味でも政治というジャンルそのものもまた旧文節によるかつて機能していた概念にすぎない。であるならば、それは同様の政治で解消できるものではなく、枠組みの中で変革するのではなく、枠組みそのものの解体、再構築、再分節化が必要なのだ